前回の記事で、現役最強馬というものを書きました。
自分でも現役最強馬と呼ばれている馬って、どんな感じだったのだろうかと思い始め、過去を振り返ってみました。もちろんすべて有名な馬ばかりで、改めて書くことでもないかもと思いながら、改めて書いてしまいました。お許しください。
■タマモクロス 1988年春~1988年末まで
オグリキャップの前に、芦毛の馬として台頭しました。この年の金杯の同着から、秋のG1まで、無敗で一気に現役最強馬になり、オグリキャップを二度返り討ちにしました。
■オグリキャップ 1988年末~1990年末まで
言わずと知れたアイドルホース。クラシックは出れなかったですが、長年競馬ブームを支えました。タマモクロスにやっと勝った有馬記念から最強馬としてレースに出続けました。
■メジロマックイーン 1991年初頭~1993年秋まで
天皇賞春連覇など、G1を4勝した名馬です。もっと勝ってもおかしくないくらいこの時代では力は抜けておりましたが、天皇賞秋の降着や、故障などで、古馬で秋のG1を1つも取れなかったため、この回数にとどまってしまいました。
■ビワハヤヒデ 1994年初頭~1994年秋まで
1年限りではありますが、トーカイテイオーが引退の後、王者に君臨しました。最後のレースとなる秋の天皇賞まで、連対を外さないという安定感もありましたが、最後は故障に泣き、長い政権は気付けず、弟にその座を譲ることになりました。
■ナリタブライアン 1994年秋~1996年春まで
圧倒的な力で、同世代の馬たちをちぎって三冠を達成しました。その年の有馬記念での古馬との初対決も圧勝で、兄であるビワハヤヒデの後、最強馬の称号を譲り受けました。
ただ、故障があり、長く最強馬と認識されてはいましたが、古馬になってからは1つもG1が取れないという残念な結果に終わってしまいました。
■サクラローレル 1996年春~1997年秋まで
そのナリタブライアンから、現役最強馬を奪ったのは、サクラローレル。前哨戦で復活を遂げた圧倒的1番人気のナリタブライアンを豪快に差し切りました。その後、ナリタブライアンが屈腱炎を発症してからは、翌年まで現役最強馬として思われておりました。
マヤノトップガン、マーベラスサンデー、バブルガムフェローなど、良いライバルたちとすばらしいレースを繰り広げました。
◇(参考)グラスワンダー、スペシャルウィーク、エルコンドルパサー:1999年春~2020年春まで
現役最強馬を語るが上で一番難しい世代です。
史上最強と称された世代の3頭が最強馬として高いレベルで並び立っていたと考えます。スペシャルウィークは2頭との直接対決では全敗ですが、2頭がいないレースは敵なしでした。さてこの世代の最強馬は?というのを考えるだけでも議論が白熱します。
■テイエムオペラオー:2000年宝塚記念~2001年年末まで
史上最強世代が引退後、世紀末覇王として君臨したのはテイエムオペラオー。2020年は圧巻の8戦全勝で、古馬G1をすべてもぎ取りました。
その多くで2着となったメイショウドトウは、本当にかわいそうな馬でしたが、宝塚記念でようやくオペラオーに勝てました。
■シンボリクリスエス 2002年年末~2003年年末まで
オペラオー引退後、しばらく最強馬と呼べる馬がいませんでしたが、この馬が4歳での天皇賞秋、有馬記念を制して、一気に最強馬になりました。4歳までしか走りませんでしたが、天皇賞秋連覇、有馬記念連覇という素晴らしい成績を収めてます。
■ゼンノロブロイ 2004年秋~2005年秋まで
2004年の秋に最強馬に上り詰めたのがゼンノロブロイ。1つ前の現役最強馬シンボリクリスエストとは、藤澤厩舎、青葉賞馬、ダービー2着と似たような馬でした。青葉賞馬はダービー馬はなぜか輩出できてませんが、最強馬になるための登竜門としては良いのかもしれません。
2004年の秋は、天皇賞秋、JC、有馬記念と3連勝で2億円の特別報奨金億円を獲得し、その次の年でも結果勝てはしませんでしたが、最も強い馬と思われておりました。
■ディープインパクト 2005年秋~2006年末まで
この馬は、あまり語らなくてもよいかもしれません。近代競馬の結晶です。もう過去になった近代ですが、全く色褪せず、史上最高の馬と評され続けております。
■ウオッカ 2008年秋~2010年初頭まで
ディープがターフから去ってから戦国の様相はありましたが、63年ぶりに牝馬でダービーを制したこの馬が競馬界の中心にいたのは間違いありません。東京競馬場だけ強いという酷評もありましたが、4歳、5歳で、ほぼ一番人気を続け、名勝負を見せながら勝っていった馬でした。
■ブエナビスタ 2010年春~2011年末まで
ウオッカ、ダイワスカーレット時代が終焉しましたが、その後も牝馬の時代は続きます。ブエナビスタ、クラシック物語でも触れた伝説の新馬戦で1番人気で3着に敗れたあと、19戦目まで国内で1番人気を譲りませんでした。最強馬と思われていた証拠ではないかと思います。
■オルフェーヴル 2011年末~2013年末まで
破天荒な性格から色々な事件もありましたが、真剣に走った時は、日本史上最強と思われる強さを見せつけました。凱旋門賞連続2着。1回目に敗れた時の直線に入った時に海外の強敵を、後方から一気に抜き去って先頭に躍り出た時の脚は、鳥肌が立ちました。国内でも後にG1を6個も獲得するゴールドシップなどの強敵を子ども扱いしている姿も印象的でした。
■キタサンブラック 2016年秋~2017年末まで
オルフェーヴル後、少々混沌としていた時期が続きました。ゴールドシップ、ジェンティルドンナ、ラブリーデイも強かったですが、現役最強馬というところまで印象が強かったかというと、そこまでは到達できてなかった気がします。その点、キタサンブラックは、逃げから自身でペースを作り、そのまま押切りという、最強のレースを多く見せつけた馬であったと思ってます。
■アーモンドアイ 2018年秋~2020年末まで
ディープインパクトを超越する馬がとうとう出てきたのではと思われた馬が本馬です。体質から凱旋門賞には行けなかったですが、この馬なら!と思わせた馬ではなかったでしょうか。
桜花賞、絶対的王者だったラッキーライラックを豪快に差し切ったところから、この馬の最強馬伝説は始まったのではと思います。
その桜花賞以外、すべて1番人気で臨みG1を9勝、引退レースのジャパンカップでは後輩三冠馬2頭を寄せ付けない強さを最後まで見せつけました。
以上、約30年で15頭の”現役最強馬”と呼ばれていた馬をピックアップしてみました。そんなには多くないですね。いかがでしょうか?皆様のご意見とは違うかもしれません。
個人的に、悩んだのは、ヒシアマゾン、エアグルーヴ、メイショウサムソン、ゴールドシップ、ジェンティルドンナでしたが、上記の15頭よりは若干、現役最強馬という位置づけで呼ばれることは少なかったのかと思い、ここでは外しました。
JRAでは、年度代表馬というものがありますが、3歳の成績なども加味されるので、今回のリストと必ずしもリンクしていないのが面白いところかなと思ってます。ジェンティルドンナは年度代表馬を2回もとっているのに、、、申し訳ない感があります。単にオルフェを負かしたことで私が嫌いだっただけかもしれません。。逆にマックイーンは年度代表馬をとっていないですが、3年も現役最強馬を継続と書きました。でも、これは、同意が得られるのかなと思ってます。
最後に、現役最強馬ということで記載しましたが、短距離路線などでも、そのような呼ばれ方はしております。ただ、私個人的には、競馬界での最強ということを言うのであれば、2000m~2500mの中距離路線で強さを発揮した馬だろうと考え、このような馬たちとさせていただきました。ご了承ください!
長文、読んでいただいた方、ありがとうございました!