【<競馬>クラシック物語2016年】2歳5強、皐月賞3強からのダービー4強 熾烈な頂点争い!

朝日杯 1番人気は、エアスピネル。前哨戦のデイリー杯を3馬身差で勝ち上がってきて、圧倒的な人気を得た。鞍上は武豊。すべてのG1の中で朝日杯だけは取れていない不思議な状況が長く続いていたが、それを本年こそ脱せる逸材を手に入れていた。しかし、レースは、ミルコデムーロ騎乗の11勝馬リオンディーズが後方15番手から、直線びっくりするような脚を使い、優勝。武豊は「空気を読めない外国人が・・・」というセリフを残した。2着のエアスピネル3着の間は4馬身もついていた。

また昨年よりラジオNIKKEI杯を継承して賞金がほぼGIであるスーパーGIIホープフルS。新潟2S5馬身ちぎったロードクエスト、出世レース黄菊賞3馬身以上つけて勝ったバティスティーニが出走。その2頭を破ったのは、これも11勝のハートレー。三頭が、まるで2000年の伝説のラジオたんぱ杯のようなレースであったため、強烈な印象を残した。一部では、この2レースの上位馬は相当強いということで、25強と称されていた。

 

ただ年が明けると状況は一変する。年末に2戦目を無難な平場戦を選んで快勝したサトノダイヤモンド新馬戦ではロイカバードとの2億円オーバー対決で勝った馬であった。年明けはGⅢのきさらぎ賞を選択し、単勝1.2倍の人気で、堂々勝利。圧巻の3連勝により、トライアルをスキップするも、25強と称されたメンバーを抑え皐月賞では1番人気となる。

トライアルで注目は、弥生賞。朝日杯のリオンディーズエアスピネルの再戦だ。ただ、当時からマイラーと思われていたエアスピネル3番人気。2番人気は前走若駒Sの勝ち上がり方が良いディープインパクト産駒マカヒキ。レースでは、朝日杯のレースとは異なる先行策となったリオンディーズが早め抜け出しを図るが、マカヒキがそのお株を奪うような後方からの差しを見せ、リオンディーズをクビ差で差し切り、その上昇力を見せつけた。エアスピネルは、2戦連続リオンにやぶれ、その差も広がってしまった。

一方、有力とされたホープフルS組は、年明けはうまくいかなかった。ハートレーは、共同通信杯を選択。東京スポーツ杯2歳Sの覇者スマートオーディンも抑え圧倒的1番人気に押されるが、9着に惨敗。奇しくも前のホープフルSを直前取り消しとなっていたディーマジェスティに敗れた。ロードクエストも圧倒的1番人気のスプリングSを勝ちきれず3着。バティスティーニは、故障で春全休となった。

 

本番の皐月賞、人気は3強の様相だ。皐月賞の1、2着馬は、サトノダイヤモンドに続く23番人気。ただ、その単勝オッズは僅差。離れた4番人気がエアスピネルで、そのあとのロードクエスト。スタート直後から、リオンディーズが、弥生賞と同じく先行戦法をとる。サトノダイヤモンドエアスピネルは中段。マカヒキは、またもや後ろからだ。

直線に入ると、リオン、サトノ、スピネルが並んで先頭の勢い。その中でリオンディーズが外の馬をけん制しすぎたのか、外に斜行。サトノ、スピネルがその影響で一旦足が止まる。そこで、その3頭の争いをあざ笑うかのように、その横を豪快に突き抜けてくる馬がいた。マカヒキではない。共同通信杯の覇者ディーマジェスティだ。マカヒキはそのディーマジェスティを追うように続いて伸びてきたはいる。先行3頭はなすすべはなく、あっさり2頭に交わさた。ディーマジェスティはそのまま止まることなるゴール板を過ぎ去り、6番人気から栄冠を勝ち取った。共同通信杯は、人気馬が自滅した感が強く、当馬の強さが伝わりづらかったが、全くフロックではなかった。マカヒキは変わらずの差し脚を見せるが、届かずの2着。サトノは、リオン、スピネルは交わして3着で入線。4位入線のリオンは斜行により、5位入線スピネルの後に降着となった。

[皐月賞結果]2016年04月17日 | 競馬データベース - netkeiba.com

 

 ダービー前哨戦で注目だったのは、スマートオーディン共同通信杯では2番人気も6着に沈んだが、毎日杯を最後方からの豪脚で差し切り復活していた。その後は、ダービーに照準を定め、皐月賞を選ばず京都新聞杯に駒を進めた。今までも勝つ時はレース最速の足を使ってきたが、京都新聞杯でも変わらず後方から先行陣をまとめて差し切り、ダービーの有力馬へ見事にのし上がってきた。

 

 とうとうダービー当日。1番人気は2冠を目指すディーマジェスティとなったが、サトノダイヤモンドマカヒキとはほぼ差がない状況。4番人気で復活を願うリオンディーズが続く。スマートオーディンがこの4強の次につけた。エアスピネルは更なる距離延長を嫌われ7番人気まで落ちた。

 レースがスタート。リオンディーズは、ここ2戦の先行策ではなく、朝日杯のような後方待機に切り替えた。マカヒキはいつもよりも前、サトノダイヤモンドをぴったりマークする中段だ。直線に入るとまずは、エアスピネルが仕掛ける。逃げ馬を飲み込み、先頭に躍り出る。一瞬、これはと思う伸び方であったが、そこを人気上位馬4頭が襲い掛かってきた。特に伸び脚が良いのは、マカヒキとダイヤモンド。エアスピネルを抜き去り、2頭の熾烈なたたき合い。ディーマジェスティはやや抜け出しが遅れ、2頭には届かない。2頭の他の馬を抜きながらの300m近くに及ぶたたき合いは、残り200m付近からマカヒキが一歩前に出て、そのままマカヒキがハナ差で先頭のゴールを切った。皐月賞で1歩及ばなかったが、頂点にたどり着いた。サトノダイヤモンドは惜しくも2着。レース後、落鉄していることが伝えられた。さつき賞馬は、前に届かず3着。二冠はならなかった。先行したエアスピネル4着に踏みとどまり、後方策をとったリオンは猛然と追うも前が止まらず、5着まで。スマートオーディンは後方から伸びてきたが6着にとどまり、結局掲示板までの1位~5位は皐月賞と同じメンバーが占めることになった。

[ダービー結果]2016年05月29日 | 競馬データベース - netkeiba.com

 

 秋、マカヒキ凱旋門賞への挑戦を選択。前哨戦のニエル賞は勝つものの、凱旋門賞では実力を見せられず大敗に終わった。サトノダイヤモンドは、マカヒキがいない中、菊花賞を制しGI馬の称号を獲得。その勢いのまま、有馬記念もかっさらってみせた。